ソックスの話 AYUMU SOCKS

今回は新規で取り扱いをするAYUMUソックスのご紹介です。
昨年の秋に山志の研修で旭ガイドに久しぶりにお会いしました。
◯日山荘のMDとして働いていた時に接点はあったものの、ちゃんとお話しする機会はなかったので改めてご挨拶をし、雑談の中でソックスの話題になりました。
並々ならぬソックスへのこだわりは山岳ガイドならではであり、そのこだわりを体現したブランドがAYUMU SOCKSです。(まさかご自身でブランドを始められるとは思わず、驚きました)
旭ガイドとのお話の中で取り扱いを決めたのは
・ロングホーズ(オーバーザカーフ)
・足袋型
・メリノウールの混紡率
・国産
が主な理由です。
今回のモデルはFWスタートということもあり、スキー・スノーボードなどのウィンタースポーツ向けを意識した仕様ですが、パイルクッションがしっかりあるため冬山登山のお客様までカバーできるモデルです。
冬靴に限らず、3シーズン用の比較的硬めのシューズを履く場合は前脛をしっかり保護してくれるロングホーズが重宝します。
シューズのタン(ベロの部分)は硬いシューズほど結構当たりやすく、靴下が短いとその段差や摩擦で痛くなることがあります。
現在マーケットに登山用のロングホーズ(オーバーザカーフ)は非常に少なく、スキー用が主です。脛側にクッションはあるものの、その他の部位は意図的にかなり薄手で作られておりますため、目的用途が異なり代替品にはなり得ませんでした。

また通常のラウンドトゥではなく、”足袋型”というのはよりコストのかかった仕様で、親指を意図的に使う(歩行時のバランスを保つ意味で)ことができます。
ゼロドロップを代表するアルトラやゼロシューズは足指を使う事をキーワードにレクチャーなどを展開していますが、ソックスの形状も連動することでその意図の理解を早めることができます。
その意味では5本指が最も足指を使えるということになりますが、このボリュームで5本にすると指と指の間の生地が重なり、かなり靴がタイトになってしまうため有効ではありません。
足袋型ソックスはいくつかのブランドがありますが、ランニング用など比較的薄手のものが多く、一般登山用となると意外に少ないものです。
メリノウールの混紡率は驚異の89%。
他ブランドですと多くて70%、少ないと50%ほどでそれはメリノウールソックスと呼んでいいのか??もあります。
ここで思い浮かぶのは耐久性の問題です。
化繊比率を高めたり、コアスパンのようにウールを保護することでピリング(毛玉)ができにくくする技術が一般的になりました。
個人的な感覚ですが、Tシャツなどのトップス類はその技術が生かされると思う反面、「人間の体重が乗る」ソックスというアイテムに対しては耐久性と引き換えに、ウール本来の柔らかさやしなやかさが使うたびに失われるように感じます。
化繊が悪く、ウールが良いという話ではなく、適材適所とその比率というものが存在しているように思います。
天然素材は我々人間が想定している以上に優れた素材ですから、ケア次第でよりその恩恵を受けられる寿命を延ばしてあげる方が健全です。

よくできたソックスは立体的で足の形をしています。吊り下げるとよくわかります。
絞るところは絞られ、ゆとりを持たせたいところはゆったりと膨らんでいます。
日本人は総じて踵が小さめですから、フィット感を確保しながらコンプレッションソックスのようにふくらはぎを包み込み快適でした。

尾州(愛知県一宮)はマーティンソンなどのハダースフィールド(イギリス)、ロロピアーナやカノニコなどのビエラ(イタリア)に並ぶ世界的に評価の高い生地を作ることで知られています。
歴史やブランディングが欧米に比べまだ浅く、認知されにくい存在でしたがアウトドアメーカーも尾州を打ち出すところは多いので今後は少しづつ広がっていくでしょう。
価格は¥5,800円(税込)で、一見すると高額に思われますが使われている生地の面積を考えると妥当でしょう。
参考までに
・Point6 Tactical Arctic Heavy Cushion OTC ¥6,380
・ダーンタフ マウンテニアリングオーバーカフ ヘビーウェイトフルクッション¥5,720
・スマートウール マウンテニアマキシマムクッショントールクルー¥5,060
ですので、飛び抜けて高価格というわけではありません。
ネパールに行く直前に間に合ったため、ちょうど良いテストになりました。
結果的にあまりに快適で、ほとんどの時間をこのソックスと過ごすことになりました。
適度なフィット感とクッション性。天気が悪い日は雪も降っていたため、保温性に救われました。
降りでずり下がってくる心配をしましたが、全くそれはありませんでした。
近年革新が生まれにくい現代の中でAYUMU SOCKSはエポックメイキングなギアの一つです。
靴下メーカーが謳うような”冬用/極厚”ではなく適度なパイルの厚みなので、靴のサイズに問題なければオールシーズン履けると思います。
国産・高品質のソックスを是非一度お試しください。
よろしくお願いします。